人気アウトドアブランドのアークテリクス ベータSLジャケット(以下:ジャケット)は非常にシンプルなデザインながらも、どこか高級感もありながら機能性にも優れている非常に人気のあるジャケットです。
そんなジャケットも3~5年ほど使用するとシームテープの劣化に伴い、フードや裾部分などが剥がれてくるというのがよく見かけるようになります。マウンテンパーカーやレインウェアなど過酷な環境で使用するアウターにとっては避けにくい劣化の一つです。
シームテープ自体は必ず劣化してくるので仕方がないことなのですが、このジャケット自体そこそこの値段がするので簡単に買い直す訳にもならずネットで修理方法を検査すると同じように修理をされているブログを拝見することが出来ます。
この記事では、修理方法も簡単に説明はしますがそれよりも実際に修理してみた感想と出来栄えについて紹介します。結論から言うと、作業は単純なのですが思いのほか難しい…というのが率直な感想です。具体的に説明していくので、是非参考にしてもらえたらと思います。
この記事でわかること
- マウンテンパーカーのシームテープの修理方法がわかる
- 修理での難しい点がわかる
- 修理の実際がわかる
シームテープ剥がれ問題

(引用:公式ホームページ)
アウトドア好きなら一度は憧れるブランド、アークテリクス。その中でも軽量で使い勝手のいいベータSLジャケットは、街でも山でも活躍する名作シェルですよね。アークテリクスのジャケットを購入した瞬間って、ちょっと特別な気持ちになりますよね。
軽さ、シルエット、無駄のないデザイン。そして何より「これなら長く使える」という安心感。でも実は、ゴアテックス製ジャケットは“買った瞬間がゴール”ではありません。むしろ、本当のスタートはそこからです。
今回の記事では、シームテープが剥がれてしまった実体験を中心にお話しますが、
- すでに剥がれて困っている人
- これから長く大切に着たい人
- 購入したばかりでまだトラブルはない人
そんなすべての方に読んでいただきたい内容です。なぜなら、シームテープの劣化は“突然の事故”ではなく、“ゆっくり進む経年変化”だからです。
だからこそ、
- 購入後に意識しておきたいこと
- やっておけば防げる可能性があること
- いざ劣化したときの選択肢
このあたりを整理しておくことで、お気に入りの一着をより長く付き合えるようになります。高価なジャケットだからこそ、「壊れてから考える」ではなく「壊れる前から意識する」。そんな視点も含めて、リアルな体験を交えながらお伝えしていきます。
長く愛用していると避けて通れないのが“加水分解”“経年劣化”。とくに多いのが、内側のシームテープの剥がれです。3〜5年ほど着込んでいると…
- フード周りがポロポロ浮いてくる
- 裾の内側がめくれてくる
- 袖の縫い目がペラっと剥がれてくる
といった症状が出てきやすい印象があります。ゴアテックス素材のジャケットは、防水性を保つために縫い目の裏側にシームテープが圧着されています。しかし、このテープは消耗品。汗や湿気、洗濯、加水分解の影響を受けて、どうしても劣化してしまいます。
「まだ生地はキレイなのに、内側だけボロボロ…」この状態、けっこうショックなんですよね。買い直すにはそれなりの出費。かといって放置すれば、防水性能はどんどん落ちていく。
だからこそ、
- 自分で直すか
- 専門店に出すか
- いっそ売るか
- 廃棄するか
一度は悩むポイントだと思います。この記事では、そんなシームテープ剥がれ問題について、実際にセルフリペアしてみたリアルな体験をもとに、率直にお伝えしていきます。「やってみようかな…でも不安」そんな方の判断材料になればうれしいです。
シームテープの劣化が進むとあちこちが剥がれてきます…
修理のリアル

先にこの記事の結論から申し上げておくと“想像以上に難しい”ということです!言葉にすると「剥がれた部分にシームテープを再び貼っていく」という単純な作業なのですが、日頃から裁縫やアイロンを使用することが少ない私のような者にとっては非常に難しい作業でした。
「趣味・特技が裁縫です」というような方にとってはもしかしたら簡単な作業かもしれません。余談ですが私自身は釣りもしていて、針に糸を結んだり、ルアーのフックを取り替えたり、リールのオーバーホールを自分でしたりと個人的にはさほど不器用ではないと思いこんでいます。それでも、この作業は非常に難しいと感じました…
こうしたシームテープの剥がれが起こる頃には、ほとんどの場合メーカーの修理保証期間は過ぎていることが多いと思います。購入から3年以上経っているケースも珍しくなく、「気づいたときには保証対象外だった…」というパターンが現実的です。もちろん、状態によっては有償修理で対応してもらえることもありますが、新品同様に戻すとなるとそれなりの費用と時間がかかることもあります。
ARC’TERYX オーナー保証 + 修理補償プログラム BIRD AIDについてはこちらを参照してみてください。ただし、保証対象にはかなりの条件があるのと期間もそれなりに要するようです。
保証対象外
以下に記した内容に該当する場合は、保証対象外となります。
- 本保証書のご提示がない場合(※保証書紛失の場合再発行は行っておりません)
- 本保証書に同意署名がない場合(※公式オンラインストアでのご購入の場合を除く)
- 本保証書にご販売店捺印、購入金額の未記入、字句が書き換えられた場合(※公式オンラインストアでのご購入の場合を除く)
弊社アウトレット店舗でご購入された製品の場合 - ご依頼者様がご購入本人様ではない場合
- 正規販売店購入以外また改造、正規販売店以外で施された修理による破損の場合
- 本来の使用用途以外の行為による不具合又は破損等
- 弊社の責によらない損傷、破損の場合
- その他これに準ずると判断された場合
上記以外の内容におきましては、弊社の判断基準によって処置させていただきます。この保証書によって保証を発行している者(保証責任者)、及びそれ以外の事業者に対するお客様の法律上の権利を制限するものではございません。
お気に入りだからこそ長く着ているわけで、劣化が出る=それだけしっかり使ってきた証拠とも言えます。ただ、「保証が切れている」という事実が、セルフリペアを検討する一つのきっかけになるのも事実ではないでしょうか。
いずれにしても剥がれたままではこの先、大事なジャケットが着れないのと、修理に出すよりも圧倒的にコストが抑えられるので、自己責任の上でセルフリペアを行うことを決意しました!
修理方法
使用した商品
YNAK 2.5レイヤーシームテープ ブラックという商品を今回使用しました。
修理手順
1.テープを修理する部位の長さに合わせてカットする
(出来ればテープの端を丸めておきましょう。こういったテープは角になっている端から剥がれてくることが多いので。)
2.修理する部位にカットしたテープをあてる
3.テープの上に薄めの布(当て布)をあてる
4.当て布の上から低温~中温設定のアイロンをかける
(アイロンが直接ジャケットの生地に触れないように気をつけましょう.溶けたり生地を傷めることがあります)
5. アイロンを掛けた後,圧着した部位が接着していることを確認して完成
ゴアテックス製のマウンテンパーカーはいくつか着用してきており、その中でも機能・見た目・価格的にも非常にオススメできるマウンテンパーカーがこちらのジャケットです。是非こちらの記事も参考にしてみてください!著者自身は、シーンによってゴアテックスのマウンテンパーカーを使い分けて気に入っているジャケットを長く着用できるようにしております。
難しかった点

1シームテープの角を丸めるのが難しい
ハサミの種類にもよるのかもしれませんが、絶妙にシームテープが切りにくいと感じました。その為にテープの角を丸めるのが難しかったです。
2アイロンの温度が低温・中温ではなかなか圧着することができない
説明書には、アイアンの温度が低温もしくは中温と記載されています。しかし、その設定ではなかなかシームテープを接着させることが出来ませんでした。様子を見ながら自己責任で高温設定で圧着させました。結果的にもしかしたらジャケットの生地を傷めてしまっている可能性のあります。
3ジャケットに紐が通っているところ・カーブになっているところはアイロンが掛けにくい
当然と言えば当然ですが、紐があり段差になっている所や生地がカーブになっている所はアイロンが非常にあてにくかったです。尚且つそれに加えて当て布をするので更にアイロンが掛けにくいということがありました。
4アイロンを掛けた後、何度もテープが剥がれる
アイロンの掛け方が悪かったのか、原因は不明確ですがアイロンを掛けた後何度もシームテープが剥がれる場所がありました。そして、何度も新しく切っては貼ってを繰り返しました。
これらの出来栄えをどう捉えるかは個人の価値観ですが「私自身としては見た目としてはいまひとつだけど、再び着ることができるようになったという点では満足」というのが正直な感想です。点数にすると70点といったところでしょうか。
日頃のメンテナンス

とはいえ、本音を言うとそもそもここまでシームテープが劣化する前に、日頃のメンテナンスをしておくべきだった…というのも正直なところです。
ゴアテックス素材は「洗ってはいけない」と思われがちですが、実は定期的な洗濯と適切なケアが推奨されています。汗や皮脂汚れが蓄積すると、生地の透湿性や撥水性が落ちるだけでなく、内側のシームテープにも負担がかかりやすくなります。
- 着用頻度が高い
- 登山や雨天での使用が多い
- 汗をかくシーズンにも使っている
こういった方ほど、定期的なメンテナンスは重要です。市販の一般的な洗剤ではなく、ゴアテックス専用の洗剤や撥水ケア用品を使用することで、生地へのダメージを抑えながら性能を維持することができます。
正直なところ、今回セルフリペアをしてみて思ったのは、「ちゃんとケアしておけば、ここまで劣化を早めずに済んだかもしれないな…」という反省です。高価なジャケットだからこそ、壊れてから直すよりも、壊れないように整えておく。『濡れたらしっかりと乾かす』ということ。加水分解といった劣化については湿度に非常に弱い性質があります。
生地に付着した汚れを取り除き、そしてしっかりと乾燥させて保管することが非常に重要です。是非とも大切なジャケットを購入されたばかりの方や初めてマウンテンパーカーを購入された方は必ず意識して長く着用してほしいと思っています。
そのための投資として、ゴアテックス専用の洗剤や撥水ケア用品を持っておくのは、決して無駄ではないと感じました。お気に入りを長く着るために。リペアの前に、まずは“予防”。テープが剥がれだしてからでは遅いので、ご注意ください。実際に使用しているメンテナンス用品も紹介しておくので、気になる方はチェックしてみてください。
決して安いジャケットではないので、今後もまた剥がれれば自分で直して長く着ていこうと思っています。ちなみに毎年人気のジャケットなので購入を希望されている方は早めからチェックするようにしておく必要があります。
長く着るためのポイント(加水分解予防の観点)

ゴアテックス製ジャケットをできるだけ長く使うためには、シームテープの加水分解を遅らせることが重要です。意識しておきたいポイントをまとめます。
-
着用後はしっかり乾燥させる
雨や汗で湿ったまま放置しないこと。帰宅後はハンガーに掛けて風通しの良い場所で完全乾燥させましょう。湿気の滞留が加水分解を早めます。 -
定期的に専用洗剤で洗う
汗や皮脂汚れは劣化を促進します。ゴアテックス専用洗剤で定期的に洗うことで、生地とシームテープへの負担を減らせます。 -
高温多湿の場所に保管しない
押し入れや車内放置はNG。湿度が高い環境は加水分解の大敵です。除湿剤を活用するのも有効です。 -
直射日光・高温乾燥を避ける
乾燥機の高温設定や長時間の直射日光は接着剤を傷める可能性があります。基本は陰干し、低温乾燥が安心です。 -
着用頻度が高いなら“休ませる”
連続着用よりもローテーションを。内部にこもった湿気を抜く時間を作ることで、劣化スピードを抑えられます。
高価なジャケットほど「壊れてから」ではなく「壊れないように」。ほんの少し意識するだけで、寿命は確実に変わります。
それでも不安なら「売却」という選択肢もある
ここまで読まれていると、セルフリペアをしてみようか悩む。でも、失敗したらどうしようと思ってしまう。そんな気持ちが少しでもあるなら、「売却」という選択肢も現実的です。
シームテープが剥がれたジャケットって、不思議と気持ちを引きずりますよね。クローゼットを開けるたびに目に入る。
「直さないとな…」と頭の片隅に残り続ける。でも時間はなかなか取れない。
モノって、使えていない状態で手元にあると、意外と小さなストレスになります。特にアークテリクスのようにそれなりの価格で購入したジャケットだと、「もったいない」という気持ちも重なります。
もちろん、愛着があれば直して着続けるのが一番です。
ただ、自分で修理するのが不安・見た目が気になる・また剥がれてきそうで心配、こういった気持ちがあるなら、状態が悪化する前に手放すのも一つの前向きな判断です。
アークテリクスは中古市場でも需要が高く、多少の劣化があっても比較的買い取り対象になることが多いブランドです。
手放すことで、
- 気持ちがスッキリする
- 次のジャケット資金に回せる
- クローゼットが整う
というメリットもあります。「直すか、売るか」どちらが正解というわけではありません。大切なのは、そのジャケットが“ストレスの種”になっていないかどうか。
少しでもモヤモヤがあるなら、売却査定だけでも一度試してみるのはアリだと思います。そのうえで、改めてどうするかを決める。それでも十分遅くはありません。
まとめ
アークテリクス ベータSLジャケットのシームテープの劣化に伴う生地の剥がれを自分で直す方法を紹介しました。
実際に修理してみてわかったことは、個人的には思っているよりも難しいという事でした。(趣味・特技が裁縫という方にとっては簡単な作業かもしれませんが…)
自分で修理をする、セルフリペアは誤って生地を傷めたりしても自己責任ですので見た目や更に傷めるのが不安という方は対応してくれるリペアのお店に出して直してもらいましょう。この方法で失敗しても当ブログでは責任を負い兼ねるので予めご了承ください。



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