過去の記事で、「このままでいいのかな?」と感じたときに、一気に答えを出さなくてもいい、という話を書きました。
こちらの記事をまだ読まれていない方は是非こちらの記事にも目を通してみてください。
その中で、生活を少し変える・環境を見直す・働き方を考えるといったことを提案の一つとしてお伝えしました。そんな選択肢のひとつとして、転職という言葉が頭に浮かんだ方もいるかもしれません。
セラピストという仕事は、資格があります。だからこそ、よく聞く言葉があります。「資格があれば転職は簡単でしょ?」「今は売り手市場だから大丈夫だよ」本当にそうでしょうか。
今回は、セラピストとして転職を2回経験した立場から、転職を甘く見ないための話を正直に書いていきます。転職を急かす記事ではありません。ただ、「転職を考え始めたときに、最低限ここは押さえておきたいポイント」を整理するための記事です。
コンテンツ
この記事でわかること
- 「資格があれば転職は簡単」と言われる理由と、その落とし穴
- 売り手市場・買い手市場という言葉の本当の意味
- 売り手市場でも「選ばれる人・選ばれない人」の違い
- 転職を考える前に整理しておくべき、自分の強みと弱み
- なぜ「辞めたい理由」を言語化しないと転職が失敗しやすいのか
- 納得できる転職をするために、時間をかけるべき理由
- 転職活動そのものがノーリスクである理由
- 「今すぐ転職しない人」にこそ、情報収集が必要な理由
こんな人におすすめ
- 資格があれば転職は簡単だと思っている、または思いたい自分がいる
- 転職したい気持ちはあるけど、何から考えればいいかわからない
- 今の職場を辞めたい理由を、うまく言葉にできていない
- 過去の転職が、必ずしも満足いくものではなかった
- これ以上、転職で失敗したくないと思っている
過去の記事では、今の生活に特別不満はないけど、不意に「このままでいいのかな?」と感じることがある方もきっとおられると思います。そういった方向けに個人的な考えをまとめております。なんとなく当てはまった方は是非こちらの記事も参考にしてもらえたらと思います。
資格があれば転職は本当に簡単なのか?![]()
結論から言うと、「可能ではあるけど、簡単ではない」です。確かに、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は国家資格です。求人自体は、常にどこかにあります。ただし、どこでもいい・条件は気にしない・場所も問わない。この前提があって、初めて「簡単」になります。
逆に言えば、条件を求め始めた瞬間に、転職は一気に難しくなる。これは、どの業種でも同じです。
売り手市場?買い手市場?そもそも何の話?
よく聞く「今は売り手市場だから」という言葉。そもそも、売り手市場・買い手市場とは何でしょうか。
簡単に言うと、
- 売り手市場→ 働く側(求職者)が有利
- 買い手市場→ 雇う側(職場)が有利
セラピスト業界は、全体で見れば売り手市場と言われています。でもここが重要です。これは、「どんな人でも、どんな条件でも」という意味ではありません。
売り手市場でも、選ばれるのは一部だということは意識しておく必要があると思います。売り手市場でも、・経験が浅い・希望条件が多い・過去の転職理由が曖昧といった場合、職場側は普通に「選びます」。
当然といえば当然ですよね。今の職場で求人を行なっていたとして、上記の様な条件がある人材を積極的に採用するかと言われれば少し疑問を持つのは当然だと思います。転職をする身になるとなぜか自分はどこでも働ける過信していまう傾向にあるので、ここは必ず自分を客観的に捉える必要があるので注意が必要です。
あなたの強みは何ですか?
転職を考えるなら、必ず向き合わないといけないのがここです。
- 何ができるのか
- 何を学んできたのか
- どんな環境で働いてきたのか
私は、1回目の職場では急性期・回復期の病院を経験しました。2回目の職場では「ガッツリ学びたい」という理由で、急性期だけの病院を選びました。
これは当時、自分の中で「何を伸ばしたいか」がはっきりしていたからです。転職する場合にはやみくもにやめるのではなく、今の職場をなぜやめたいのか・どのような条件が必要なのか・今後なにをしたいのか・何を目指したいのか・誰の元で働いてみたいのかなど、具体的に必要な条件を洗い出して、優先順位を決めておく必要があります。
たとえば、回復期の病院で勤めていて、やはり急性期を学びたいと思っても、その病院自体が急に急性期に変わることはありません。または、子供が出来てから子育てを仕事を両立させる為には、どうしても通勤距離がネックになるのであれば近い距離の職場に変える必要があります。これらはシンプルに職場の条件を変える必要があります。急性期・回復期・地域・人間関係・就労条件などこれらは、簡単にリセットできない要素です。
ここがこの記事で最も伝えておきたい部分ですので、もう一度だけお伝えさせていただきます。
大事なポイント
- なぜやめたいのか
- どのような条件が必要なのか
- 今後なにをしたいのか
- 何を目指したいのか
- 誰の元で働いてみたいのか
同時に、弱みも把握しないといけない

就職や転職時によく「自分の強みは何ですか」といった問いがあります。しかし、強みと同じくらい大事なのが、
弱みを把握することだと私は考えています。
- なぜ今の職場を辞めたいのか
- 何が合わなかったのか
- 自分のどこが原因だった可能性があるのか
ここを曖昧にしたまま転職すると、同じ理由で、おそらく次の職場でもまた悩むことになります。
「人間関係が合わなかった」これも、理由としては間違っていません。でも、どんな点が合わなかったのか・自分はどう関わっていたのか。ここまで言語化できないと、次の職場選びは運任せになります。
自分がなぜ今の職場をやめたいのか・転職したいのかということは必ず言語化できるようにしておきましょう。これも転職成功への鍵となると思います。
ここまででご自身の「強み」や「弱み」について言語化できていない・自分のことをよくわかっていないというような方は是非こちらの書籍も参考にしてみてください。自分について改めて振り返ることができるいいきっかけになると思います。
この世界は、案外狭い

セラピスト業界は、想像以上に狭いです。特に田舎や地方では、その傾向が顕著です。作業療法士会など、何かしらの会や勉強会に出ると一気に実感します。
「あ、ここでつながるんだ」「あの人、知ってる人だ」転職を何度も繰り返すと、こうしたつながりの中で、名前が出る可能性もあります。だからこそ、転職は何度もできるものではないという意識も大切です。同じ府内・県内であれば、今の職場と次に狙っている職場の管理職同士が繋がっていることだって往々にしてあります。(←かなり繋がっています)
正直な話をすると、知り合いがいる・紹介があるなど、こうした転職は、話が進むのが早いです。一方で、コネやツテがなければ、正直時間はかかります。
それでも、転職は可能です。ここまで読むと、「転職って大変そう」と思うかもしれません。でも、場所を選ばなければ、転職自体は可能です。これは、セラピストに限らず、どの業種でも同じです。ただし、「どうせなら納得できる転職をしたい」そう思うなら、大事なポイントがあります。
それは時間をかけることです。転職を一定期間で短期的に済まそうとするとやはり転職失敗になる確率は高くなります。しっかりと時間を掛けて・なぜやめたいのか・どのような条件が必要なのか・今後なにをしたいのか・何を目指したいのか・誰の元で働いてみたいのかなど自分に対する解像度を上げておき、さらにはその条件に合う職場を時間を掛けて探していく必要性があります。
転職活動は「時間をかけるもの」

転職は、思いつきでやるものではなく、計画的に進めるものです。
- 情報を集める
- 比較する
- 考える
このプロセス自体が、今後の人生を考える時間になります。仕事というのは、人生において最も時間を投下するものです。1日おおよそ8時間という時間を投下します。仕事以外で1日8時間投下できるというのは他にないと思います。のであれば、仕事が苦にならず毎日がワクワクするような仕事に取り組めている方がよっぽど毎日を快適に過ごせてエンゲージメントが高いと言えますよね。
思いつきやその場の感情だけではなく、しっかりと時間を掛けて計画的に転職活動を充実させてもらいたいと思います。自分のことがわかってきて、その条件に適している職場を探すという行為はワクワクするものです。
例えるのであれば、新しい車を探している時や新しい家を探している時などは、今後の生活を左右する為に必要な条件は何か・どんなものが良いのかとしっかりと調べて時間を掛けると思います。転職も同じ様な感覚がありますので、是非転職活動自体も楽しみながら、進めてもらいたいと考えています。
少しでもその気なら、転職活動はノーリスク

ここで、一番伝えたいことがあります。転職活動そのものに、リスクはありません。電話がかかってきたり、メールが増えたりはして多少の時間を割く程度です。
- 今すぐ辞める必要はない
- 応募しなくてもいい
- 話を聞くだけでもいい
情報が入ってくることで、初めて判断ができます。情報がない状態では、勝手なイメージ・思い込み・不安などこれらが、行動のブレーキになります。そしてそのブレーキが、この先の人生を止めてしまうこともあります。
30代・40代ともなると自分一人だけの人生ではなく、家族を抱えている人もたくさんおられると思います。もしも転職活動をしてみようと思われた方で、30〜40代の方は是非こちらの記事も参考にしてもらえたらと思います。
この記事では、ライフステージで変わる転職のコツについて紹介しています。この中間層ならではの悩みや多くの人が抱えている課題についても紹介しています。
今年こそ、一歩踏み出してみる
「全然今からでも遅くない」これは、きれいごとではありません。少しでも「このままでいいのかな?」と思ったなら、まずは、情報を集めるところから始めてみてください。転職エージェントは、そのための手段のひとつです。
まとめ
資格があるからといって、転職が「簡単」になるわけではありません。確かに、求人はあります。でも、条件を求め始めた瞬間に、転職は一気に現実的な問題になります。
だからこそ大切なのは、売り手市場・買い手市場という言葉に流されず、自分自身をしっかり理解することです。
転職は「逃げ」ではなく、納得のいく選択になります。そして忘れてはいけないのは、転職活動そのものにリスクはないということ。
今すぐ辞めなくてもいい。応募しなくてもいい。話を聞くだけでもいい。情報が増えることで、初めて冷静な判断ができるようになります。「このままでいいのかな?」そう思った今が、考え始めるタイミングです。
今年こそ、まずは一歩、情報を集めるところから始めてみてください。その小さな行動が、これからの働き方や生活を“ちょうどよく”整えるきっかけになるかもしれません。



